2022.10.31
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派遣社員のいじめは当事者だけでなく派遣受け入れ企業にとっても深刻な問題の1つです。実際に自社でいじめが起こってしまったら、どのように対応すべきなのでしょうか。
この時、「契約期間が終われば解決するのでは」といじめを軽く見るのは危険です。放置していると法律によって罰せられる可能性もあります。
そこで今回は、派遣社員のいじめが起こる原因といじめをなくす方法を解説していきます。
目次
1. 派遣社員のいじめは早めに解決を!
2. 派遣社員がいじめられる原因
派遣社員が下に見られている
仕事ができないと思われている
一時的な社員だと思われている
3. 派遣社員のいじめをなくす方法
相談できる環境を整える
専属の教育係を付ける
社員と交流する機会を設ける
4. まとめ
1. 派遣社員のいじめは早めに解決を!
世の中には収入の安定していない派遣社員を正社員よりも下にみる人もいるため、派遣社員はいじめの標的にされやすいのです。
もし、いじめが発覚した場合は早急に対応する必要があります。派遣社員のいじめは単なる社内トラブルではなく、法的責任を問われる可能性がある問題です。
具体的には、いじめへの対応や職場環境の改善に努める義務を怠った際の「不法行為責任」、いじめ加害者を従業員として使用していた者としての「使用者責任」などが挙げられます。また、従業員の健康や安全を守る安全配慮義務、安心して働ける職場環境を整える職場環境配慮義務を果たさないと「債務不履行責任」を問われる可能性もあるでしょう。
法的な問題にならなかったとしても、派遣会社から契約を打ち切られる、インターネットで悪評が拡散するなどの問題が考えられます。時間に解決をゆだねるのではなく、一刻も早く改善に向けた行動が必要です。
2. 派遣社員がいじめられる原因
派遣社員がいじめられる原因には以下のようなものがあります。適切な対応をするためにも、なぜ派遣社員がいじめられているのかを知っておきましょう。
派遣社員が下に見られている
派遣社員は雇用が不安定な働き方ともいえるため、正社員になれない人が就く仕事だと考えている人もいるようです。
派遣社員というだけで冷たい態度を取り、次第にいじめに発展してしまうケースもみられます。
仕事ができないと思われている
派遣社員は正社員よりも単純な業務を任される事が多いので仕事ができないと思われがちです。実際に能力があったとしても、スキルが低いと決めつけられ見下されてしまうかもしれません。
「仕事ができない人に教えても無駄」という理由で業務を指導してもらえないハラスメントに繋がるケースもあるようです。
一時的な社員だと思われている
正社員はある程度長期間働くことが想定されますが、派遣社員はほとんどの場合が一時的な契約です。そのため長く在籍する正社員同士の関係は大事にするのに対し、限られた期間しかいない派遣社員との関係に無頓着な人も少なくありません。
名前を覚えてもらえず、「派遣さん」と呼ばれるケースもよく見られます。その距離感や雑に扱う態度が、次第にいじめにまで発展してしまうのです。
3. 派遣社員のいじめをなくす方法
ここでは、派遣社員のいじめをなくす方法を紹介します。いじめが起きてからの対処だけではなく、未然に防ぐための対処も考えておきしょう。
相談できる環境を整える
まずは派遣社員が相談できる環境を整えるのが大切です。基本的に派遣社員に問題が起きた時に相談を受けるのは派遣会社の営業担当ですが、自社にも相談できる窓口を設ければ、いじめの顕在化と早期解決に繋がるかもしれません。
派遣社員から相談を受けた際は隠ぺいするのではなく、誠実に改善を努めるようにしてください。誠意ある対応が問題の早期解決や法的問題の回避に繋がるでしょう。
専属の教育係を付ける
派遣社員は仕事ができないと敬遠されるのを防ぐためにも、専属の教育係を付けて仕事のやり方を教えましょう。
役割を与える人にはタスクの調整をするなど普段の業務以上に負荷がかからないように注意が必要です。心の余裕を持って指導できる環境を整えることで、派遣社員と自社の社員との関係も良好になり、いじめ防止に繋がります。
社員と交流する機会を設ける
社員と交流する機会を設ければ、派遣社員に対する偏見をなくし、社内全体の雰囲気を良くできるかもしれません。円滑にコミュニケーションが取れるようになれば、業務の効率化も期待できます。
飲み会やランチなど業務時間外のイベントに抵抗感を持つ人もいるため、タスクの進捗を報告する時間を設ける、会議への参加をお願いするなど業務を通して社員と交流できるような工夫が必要です。
4. まとめ
派遣社員へのいじめを放置すると法的な問題に発展しかねません。派遣受け入れ企業側には、快適な職場を提供する責務や雇用者を監督する者としての使用者責任があり、自社でいじめが発覚した場合は、一刻も早く改善に向けた行動が必要となります。
世の中には一定数派遣社員を下に見ている人がいたり、単純な仕事が多いことから能力がないと思われたり、一時的な人材だからと冷遇されたりすることがいじめの原因です。
いじめの発生を防ぐためにも、自社に相談窓口を設置する、派遣社員に専属の教育係を付ける、社員と交流する機会を設けるなどの対策をしましょう。