2022.09.30
派遣社員採用・契約,派遣社員評価
常用型派遣派遣会社派遣契約終了後派遣社員無期雇用派遣登録型派遣
人材派遣を検討する企業は「登録型派遣」と「常用型派遣」どちらで受け入れをすべきか迷ってしまうのではないでしょうか。
この2つは人材のタイプや契約期間などに違いがあり、派遣社員に何を求めているのかによって適した形態は異なります。
そこで今回は登録型と常用型の派遣形態の違いを解説していきます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握し、企業にとってどちらを選ぶのがベストなのかを考えてみましょう。
目次
1.登録型派遣と常用型派遣の違い
2.登録型派遣のメリット・デメリット
メリット
デメリット
3.常用型派遣のメリット・デメリット
メリット
デメリット
4.状況に合わせて登録型・常用型を選ぼう!
5.まとめ
1. 登録型派遣と常用型派遣の違い
「登録型派遣」と「常用型派遣」の違いをみてみましょう。
「登録型」は就業期間中のみ派遣会社と派遣社員が雇用契約を結ぶ仕組みです。登録すれば誰でも働くことができるので、人材が豊富で受け入れまでスムーズに進みやすいですが、一定以上のスキルを持つ人は少ない傾向があります。
一方、「常用型」は無期限もしくは更新を前提として、派遣会社が派遣社員を雇用する仕組みです。派遣会社による選考があるので登録型に比べて人材の母数は少ないですが、専門性の高い資格や知識を有した人が多くみられ、情報技術、整備工事、生産管理といった仕事でも利用しやすい特徴があります。
それぞれのメリット・デメリットと企業のニーズを比較して、どの形態で派遣依頼するといいのか検討しましょう。
2.登録型派遣のメリット・デメリット
「派遣」というと「登録型派遣」をイメージする人がほとんどではないでしょうか。活用されることの多いこの形態には、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- 登録制なので人材が豊富
- 一時的な仕事、急な案件にも対応できる
登録型は、登録制で人材が豊富なので、条件にマッチした社員が見つかりやすいでしょう。短期契約がほとんどで、産休代替や繁忙期、期間限定の業務など雇用期間を絞った求人に向いている形態です。
また、求人を掲載したり選考したりする必要がなく直接雇用よりもスムーズに人員補充を行なえるため、急な欠員にも対応できます。
デメリット
- 最大3年までしか契約できない
- 派遣期間が終わると次の社員を探さなければならない
登録型の契約期間は最長3年と定められており、どんなにいい社員でもそれ以上は雇用できません。そのため、同じ人に長く働いてもらいたい職場には不向きといえます。戦力になるまで時間のかかる業務や長期プロジェクトなど継続的に関わる必要のある仕事は任せにくいでしょう。
また、派遣契約終了後はまた新たな社員を探す必要があります。研修を行って仕事を任せられるようになっても、契約期間が終われば次の人材にまた一から教えることになるのです。そのたびに入社準備や引継ぎが必要になるため派遣社員の受け入れをマニュアル化するなどの工夫が求められます。
3.常用型派遣のメリット・デメリット
次に常用型派遣のメリット・デメリットを紹介します。
メリット
- 3年以上継続して契約できる
- 技術者と契約しやすい
常用型は無期雇用派遣とも呼ばれており、基本的に契約期間に縛りがありません。3年以上の雇用が可能なため、研究、開発など長期プロジェクトも任せられます。
また、誰でも登録できる登録型とは異なり、専門的な資格や技術を持っている人が多いので、よりクオリティの高い人材派遣が期待できるでしょう。
専門的な知識を持った即戦力となる人材を募集するのは難しいため、専門分野のスペシャリストを補えるのは常用型派遣の強みといえます。
デメリット
- 登録型派遣に比べて人材が少ない
- 労働条件、業務内容に融通が利きにくい
厚生労働省の「平成29年派遣労働者実態調査の概況」によると派遣社員のうち常用型派遣に従事しているのは46.1%、期間を定めずに契約を結ぶ無期雇用派遣が可能なのは全体の約16%です。
登録型と比べて人員が少なく、求めるスキルを有した派遣社員がいない可能性もあります。専門分野のスペシャリストを派遣してもらいたいと思っても、マッチする人材がすぐには見つからないかもしれません。
また、長期的に働いていても派遣会社の社員、つまり社外の人員であることは変わりないため、残業や休暇の調整など自社の基準を適応するのが難しいケースもあるでしょう。
4.状況に合わせて登録型・常用型を選ぼう!
派遣社員に求める知識や働き方に合わせて、登録型か常用型を選ぶことが大切です。
例えば、専門的な知識がそれほど求められない業種や仕事内容なら、人材が豊富で融通の利きやすい登録型方が合っているでしょう。予算が少ない場合、短期間の契約で様子を見ながら受け入れを行うという方法もあります。
それに対して、3年以上継続して契約したい場合やある程度のスキルを有する人材が必要なら常用型がおすすめです。特に技術職では登録型だとスキルが足りないことが多いため、常用型の方が思い描いた人材を確保できるかもしれません。
このように状況に合わせて適切な派遣方法を検討しましょう。
5.まとめ
登録型派遣とは、就業期間中のみ派遣会社と派遣社員が雇用契約を結ぶ仕組みです。専門的な知識があまり必要ない、雇用形態に融通を効かせたいといった場合に適していますが、中長期の業務を任せたいときには不向きです。
一方、常用型派遣は派遣会社に常時雇用されている社員が派遣されます。専門的なスキルを有していることが多く、技術職などにおすすめです。3年以上の長期的な雇用も可能ですが、登録型と比べて人材が少なく、マッチするまで時間がかかるかもしれません。
派遣受け入れに何を求めているかによってどちらの形態が適しているかは異なるため、職種や募集業務などニーズに合わせて選ぶようにしましょう。