2022.10.29
派遣社員採用・契約
シフト変更ミスマッチ休日出勤労働条件労働者派遣法就業条件残業派遣契約違反派遣社員禁止行為紹介予定派遣職場環境適性検査面接顔合わせ
派遣受け入れ企業は派遣社員を面接できないと聞いたことがあるかもしれません。確かに派遣社員の面接は行いませんが、就業開始前に「顔合わせ」を実施することがあります。
顔合わせは、派遣受け入れをスムーズに行い、マッチした人材を派遣してもらうために大切なステップです。適切な質問を準備しておけばより有意義なものにできるでしょう。
そこで今回は、派遣受け入れ企業は面接できるのかを確認した後、顔合わせの目的や質問すべき内容、注意すべきNG行為について解説します。
目次
1. 派遣受入企業は派遣社員と面接してもいい?
2. 派遣社員と顔合わせする目的
業務内容を正確に伝えるため
派遣社員の疑問を解消するため
派遣社員の選別を目的としない
3. 顔合わせで派遣社員に質問すべき内容
スキル
職務経歴
就業条件
逆質問
4. 顔合わせ中のNG行為に注意する
5. まとめ
1. 派遣受入企業は派遣社員と面接してもいい?
派遣受け入れ企業による派遣社員の面接は労働者派遣法により禁止されています。これは派遣社員を雇用しているのは派遣会社であり、派遣受け入れ企業が面接で選考すると二重に雇用関係が生じる可能性があるからです。
ただし例外として紹介予定派遣の場合は、直接雇用を前提として派遣契約を結ぶ特性から、面接の実施を認められています。
派遣社員の面接が禁止されている一方で、企業と派遣社員双方のミスマッチをなくすために「顔合わせ」が行われるケースがあります。実際に法律でも、面接行為に当たらない職場見学は推奨されているのです。
顔合わせは人材を選考するためのものではなく、派遣を開始する前にお互いが知り合う機会であることを覚えておきましょう。
2. 派遣社員と顔合わせする目的
事前に派遣社員と顔合わせをするのにはどのような目的があるのでしょうか。顔合わせの目的として意識すべき3つの点を説明します。
業務内容を正確に伝えるため
顔合わせをすれば派遣社員に直接業務内容を説明できるので、より正確に伝えられるでしょう。あらかじめ派遣会社から業務内容は伝えられますが、完璧に伝えるのは難しく認識に齟齬が生まれる可能性があります。
このようなミスマッチを防ぐためにも、実際に派遣社員を自社に招き、業務について説明する機会が必要なのです。
派遣社員の疑問を解消するため
実際に働き始めてから業務内容や労働条件について食い違いが起こらないように、事前に派遣社員の疑問を解消する機会を設けることが大切です。
顔合わせで仕事内容や職場環境、福利厚生など疑問をすべて解消してもらい、お互い納得した上で働けるようにしましょう。
派遣社員の選別を目的としない
派遣社員の選別を目的として顔合わせを行うと、選考面談になってしまい、労働者派遣法によって罰せられる危険性があります。あくまでお互いのミスマッチを防ぐための「顔合わせ」であることを意識しましょう。
3. 顔合わせで派遣社員に質問すべき内容
ここでは顔合わせで派遣社員に質問すべき内容を紹介します。面接ではないとはいえ、事前にしっかりと準備しておけばお互いの認識をすり合わせることができるでしょう。
スキル
派遣社員の場合、能力不足によるミスマッチが起こりやすいため、業務上必要なスキルをどの程度持っているのか確認しましょう。
資格が関係する業務の場合は、その有無を聞いておくのも大切です。電話対応やタイピングなど、基本的なビジネススキルについても確認することをおすすめします。
職務経歴
これまでどのようなキャリアを積んできたのかを質問すれば、より具体的に自社での業務との相性をイメージできるでしょう。
短期間の就業が多かったり長期間のブランクがあったりする場合は、今後の業務に支障がないか働き方のすり合わせが必要かもしれません。
就業条件
就業条件については、派遣会社が派遣社員に伝えている場合も多いですが、トラブルを防ぐために再度こちらから説明することをおすすめします。
その際、残業や休日出勤、シフト変更にどの程度対応できるか、福利厚生について理解しているかを質問しておきましょう。いつから働けるかも合わせて聞いておくとスムーズです。
逆質問
逆質問を行えば、派遣社員の仕事への熱意や人柄を把握できるでしょう。また、派遣社員の疑問を解消することで会社とのミスマッチを無くせます。
就業条件や必要なスキル、研修期間、職場の雰囲気など、想定される質問に答えられるように事前に準備しておきましょう。
4. 顔合わせ中のNG行為に注意する
顔合わせで質問をするのは問題ありませんが、以下のように面接と受け取られるような行動には気を付けましょう。
- 履歴書など応募書類の提出要請
- 年齢、性別など採用条件の限定
- 適性検査の実施
また、顔合わせは派遣会社を含めた三者で行なう必要があります。派遣社員と二者で行なってしまうと面接とみなされる可能性が高いため注意してください。
5. まとめ
派遣受け入れ企業による派遣社員の面接・選考は法律により禁止されています。事前の顔合わせは可能ですが、あくまでミスマッチを防ぐためのものでないといけません。
顔合わせではお互いの理解を深めるために、スキルや職務経験、就業条件について質問しましょう。逆質問をして派遣社員の疑問を解消することも大切です。
また、履歴書など応募書類の要求や、年齢、性別など採用条件の限定、適性検査の実施は、禁止行為にあたります。派遣受け入れをスムーズに行うための場として顔合わせを活用しましょう。